場所:東京都北区西ヶ原
アクセス:南北線西ケ原駅から徒歩2分。JR上中里駅から徒歩8分。JR駒込駅・王子駅から徒歩15分。
【解説】
奈良・平安時代に豊島郡の郡衙(役所)が置かれた場所。豊島郡は現在でいうと東京都区部の城北・城西や千代田区などが領域であったと考えられる。この近辺は荒川や隅田川沿いを望む崖線上にあり、近隣の飛鳥山には古墳群や環濠集落跡があることでも知られている。この遺跡からも旧石器時代の遺物が発見されており、この辺りは古くから栄えていたのだろう。
なお、豊島郡衙の所在地は、この遺跡から郡衙跡が発見される昭和57年(1982)まで分からなかったようである。現在でも、武蔵国の郡衙で場所がわかっているものは少ない。
【訪問記】
2024年秋の平日に訪問。飛鳥山から徒歩で訪れる。往時の郡衙は四角形であったが、当然その痕跡は残っていない。近隣には消防署、国立印刷局、公務員研修所など公的機関が多く、静かな公園の中にあったので、散歩の休憩がてら見に来るのには適していると感じた。
【余談】
この辺り(西ヶ原や上中里、滝野川)を豊島郡荒墓郷に比定する説があり、Wikipediaなどにも載っている。平塚神社の名前の由来となった「平塚」(平たい古墳)が「荒墓」を想像させるためであろうが、特に根拠はない。豊島郡衙に豊島駅が併設されていたという説が現在では主流なようであるから、この近辺を駅家郷に比定するほうが自然に思える。
名所評価(★は5が最高)
面白さ:★
・石碑と説明板があるのみで、特に面白くはない。
再訪度:★
・石碑と説明板があるのみで、再訪するほどの場所ではない。
快適さ:★★★
・平凡な公園の中にある。公園の公衆トイレを利用可能。
アクセス :★★★★★
・山手線の駒込駅・田端駅から10分程度で着く。
周辺スポット:★★★★
・名族豊島氏が館を置いた平塚神社に近接。10分ほど歩けば飛鳥山へも行ける。
個人的満足度:★★★
・かつて、東京一帯の中心地は丸の内でなく、ここ上中里であったと思うとロマンがある。周辺の遺跡などの知識を入れてからくると面白いかもしれない。
解説文
写真の傾きはご容赦ください(後日修正予定)