場所:東京都文京区目白台
開園時間:9:00~17:00(冬季16:30)
入園料:無料
アクセス:江戸川橋駅・地下鉄早稲田駅徒歩15分、都電早稲田駅徒歩5分
【解説】
肥後隈本藩主・細川家の下屋敷(明治以降は東京本邸)の庭園を、戦後に行政が取得し公園化した場所。長らく「新江戸川公園」として親しまれてきたが、2017年に公募により現在の園名に改称された。「江戸川」は神田川中流域の名称のひとつで、庭園は神田川沿いの低地と台地を利用して造成されている。
先述の通り、この場所は明治以降に細川侯爵家の本邸となった。当時の建物としては、細川家の学問所として明治20年ごろに建設された松聲閣が園内に大幅改修を受けながらも現存・公開されている。一方で台地上の邸宅建築や事務所は、現在それぞれ和敬塾(学生寮)、永青文庫となっており、広大な細川邸のうち公園化されているのは日本庭園部分のみである。
【訪問記】
2025年冬訪問。混んではいなかったものの、多くの家族連れやご高齢の方が訪問していた。
日本庭園は典型的な回遊式のものであり、中規模。芝生などが綺麗に整備されており開放感がある。神田川沿いの台地斜面も公園の敷地に含まれており、高所から庭園を見渡すこともできる。ベンチも多い。
先述の松聲閣は木造二階建ての立派な建物で、園内隅にある。古い建物ではあるが、2014年に大規模な改修工事が行われて外観は綺麗に、内装は現代的になり、公民館的な利用がなされている。そのため一見すると見学不可能に見えるが、二階部分など一般公開されている部屋もあるので遠慮なく入りたい。
館内は幾度もの改修を受け、建築当時そのままの場所は一部しかない。その一つが二階へ通じる階段で、必見である。二階からは庭園をゆっくりと一望できる。この松聲閣の存在こそ、肥後細川庭園の特色であろう。
【余談】
肥後細川庭園裏の学生寮・和敬塾は村上春樹も大学時代の一時期を過ごした場所。『ノルウェイの森』に登場する寮の舞台ともなった場所である。
名所評価
面白さ:★★★
再訪度:★★★
快適さ:★★★★
・松聲閣で現代的な屋内トイレを借りることができる。園内にはベンチも多い。
アクセス:★★★★★
・立地は良いが、最寄り駅が都電荒川線というのは少し不便に感じる。
周辺スポット:★★★★★
・目白台はかつての邸宅地で、永青文庫(旧細川家事務所)、関口芭蕉庵、椿山荘(旧山形有朋邸)、蕉雨園(旧田中光顕邸、内部非公開)などはすぐで、少し歩けば旧田中角栄邸(正門以外非公開)へも行ける。その他、聖カテドラル聖マリア大聖堂や早稲田大学へも足を延ばしやすい。
個人的満足度:★★★★
南門
庭園
九重塔
高台からの眺望
松聲閣
松聲閣一階
松聲閣階段
松聲閣廊下
かなりの部分が現代的に改修されている
松聲閣二階
松聲閣二階
松聲閣二階からの眺望
門