場所:東京都目黒区駒場(駒場公園内)
開館時間:9:00~16:00(月・火曜休館)
入館料:無料
アクセス:駒場東大駅、代々木上原駅より徒歩13分
【解説】
加賀前田家16代当主・利為が昭和4年(1929)に建てた本邸。居宅である洋館、外国の賓客をもてなすための和館を中心に、広大な敷地を有していた。
陸軍大将でもあった利為が太平洋戦争中に墜落死すると、邸宅は前田家の手を離れた。中島飛行機や連合軍の所有を経て、現在は東京都によって「駒場公園」として管理公開がなされている。2013年には国の重要文化財に指定された。
【訪問記】
2025年冬の平日に訪問。10~20人程が訪れていたように思うが、邸宅内は広大なためゆっくりと見学で来た。靴を靴袋に入れて携帯しながら館内を周遊することになる。
10年ほど前にはじめて訪れた時にも思ったが、この前田家本邸の洋館は恐ろしいほどに豪華である。前田利為は、本郷からここに移転する際に「駒場では質素な暮らしを」と臨んだらしい。本号ではどのような生活をしていたのだろうか。
洋館については1、2階の大部分を見学でき、中には多くの見どころがある。中でも私が好きなのは、壁紙の色遣いの素敵な夫人室や、絢爛豪華な書斎。打って変わって質素な女中室も、戦前華族のお屋敷生活のリアルが伺えるようで必見である。
和館は近年になって公開されるようになった場所で一階のみ見学可能。こちら特別贅沢と言う訳ではないが、落ち着いた雰囲気がある。
駒場公園の内外には、ほかにも前田家時代の門や建物が残っていて散策は楽しい。公園隅の前田家祖霊社跡地も、今では石畳などが残るばかりだが、今なお残る邸宅建築以上に前田侯爵家の栄華を偲べる場所であった。
【余談】
訪問後、隣接する日本近代文学館の三島由紀夫展に行くと、高齢男性が利いたことのあるような声で居丈高に話している。見てみると、猪瀬直樹氏であり、サプライズで展示解説をしているとのことだった。
名所評価
面白さ:★★★★★
・東京都内の近代邸宅建築の中でも随一であるように思われる
再訪度:★★★★
快適さ:★★★★★
・トイレは現代的に整備され、空調もしっかりと効いている。
アクセス:★★★★
周辺スポット:★★★★
・日本近代文学館や日本民藝館は隣接。近くの東大駒場キャンパスを散歩しても良い。
個人的満足度:★★★★★
小食堂
写真には映っていないが、小型エレベーターも設置されている
階段
夫人室
寝室
女中室
中庭
会議室
利為はここに軍人の部下をよく招いたという
読書室
2階階段
大広間
洋館裏側
洋館和館の渡り廊下
外観見学のみ可能
和館
この日は工事中で休館
和館内部
公園内トイレ
外観はかつての車庫を復元
洋館前の芝生
遊具もあり、子供が遊ぶ
祖霊社跡
正門