場所:千葉県我孫子市緑
営業時間:9:00~16:30、月曜休館
入館料:300円
アクセス:JR我孫子駅から徒歩10分
【説明】
明治~昭和期に活躍した朝日新聞記者・杉村楚人冠の邸内に開設されている記念館。
楚人冠は関東大震災で子息を失ったことをきっかけに、1924年に我孫子に移住し、1945年にこの邸で死去した。
邸宅の敷地は広く、記念館となっている母屋の他にも、蔵、茶室、澤の家(楚人冠の母の居室)などの建築や、庭園の池が残っている。
【訪問記】
2025年冬の平日訪問。訪問時、客は私の他にいなかった。貸していただいた、館内説明を聞けるIpadを片手に観覧。
館内では書斎及びサロンが、楚人冠の暮らしていた当時のままに保存されており、本棚や机、装飾など見ごたえがある。写真撮影はこの2室のみ可能である。他の部屋は資料展示室となっており、撮影はできない。
関東大震災直後に建設された邸内は、本棚や箪笥が倒れないように工夫をこらしており、興味深い。建物の設計は、アメリカで建築を学んだ下田菊太郎によるもの。アメリカ流に天井を低く設計したため、床の間に掛け軸がかけられなくなり楚人冠が激怒したという挿話も残っている。
母屋外は公園化され、無料で見学できる。勾配差があって面白い。
楚人冠の母が住んだという「澤の家」は、修復予算が足りないようで内部は荒れ果てていた。
【余談】
我孫子は嘉納治五郎が移住したのち、別荘地となり、特に白樺派の作家が多く住んだ。楚人冠記念館の付近には、志賀直哉の書斎や、村川堅固別邸などが残る。
名所評価
面白さ:★★★
・邸宅としては大規模ではないが、往時の姿を残す書斎・サロンは見ごたえがある。
再訪度:★★★
快適さ:★★★
アクセス:★★★
周辺スポット:★★★★
・白樺文学館や村川別邸、手賀沼公園などが近くにある。
個人的満足度:★★★★
・貸与されるIpadで聞く解説音声は、職員ないしは学芸員の方が読み上げたものであろうか?手作り感がとてもよかった。
記念館入口
母屋外観
サロン
書斎
澤の家
澤の家 内部
蔵
母屋外観