場所:東京都千代田区千代田(皇居東御苑内)
公開時間:9:00~18:00(春・夏季の場合)、月・金曜休園
入館(園)料:無料
アクセス:竹橋駅・大手町駅から徒歩約15分
【解説】
江戸城本丸(現・皇居東御苑)にある多聞櫓。明暦の大火(1657年)の後に再建されたものと考えられている。
多聞櫓とは長屋造の防御施設であり、基本的に石垣(城壁)に沿って建てられる。つまりは城の周囲に巡らせる土塀を建物化したものであり、格式の高い江戸城本丸はほぼ全体が多聞櫓によって囲まれていた。
しかし、江戸城の施設は明治維新後に多くが失われ、多聞櫓はこの富士見多聞と伏見櫓(二重橋から見える櫓)に付属するものの二棟となってしまった。また、本丸に現存する江戸城の建物もここと富士見櫓の二棟のみである。
とはいえ、皇居の中では地味なこの建物が脚光を浴びることになったのは2016年11月に内部公開が始まってからのこと。以降現在に至るまで、江戸城の遺構の中で唯一内部見学できる建物となっている。なお、宮内庁の管理する文化財の常として、行政による文化財指定はなされていない。
【訪問記】
2024年冬の平日訪問。皇居東御苑はインバウンドが若干増えた気はするものの。広大な敷地を埋め着くすほどではなく、のどかな時間が流れている。
富士見多聞は場所がわかりづらいこともあり、数人のインバウンドが見学しているだけ。内部は一方通行式だが、ゆっくり見学でき、写真撮影も可能。展示はパネルが数枚の簡素なもの。窓からは、皇居東御苑内でここからしか望めない紅葉山一帯の風景を楽しむことができる。しかし、紅葉山の木に邪魔されて富士山は見えない。
ここを見学するためだけに皇居へ行く必要があるかは微妙だが、皇居訪問の際にはぜひ寄っておきたい場所である。
【余談】
富士見多聞の西側からの外観(石垣の上にそびえる姿)を正面から見るには、年二回の乾通り特別公開に参加すると良い。アングルが悪くても良ければ、一般参賀や一般参観(要予約)のルート上からも眺めることができる。
名所評価
面白さ:★★★
再訪度:★★
快適さ:★★
・あくまで富士見多聞単体として見れば、当然だが空調もトイレも無いので…皇居東御苑自体は快適。
アクセス:★★★★★
周辺スポット:★★★★★
個人的満足度:★★★★
・富士見多聞の公開に関して、宮内庁は良い仕事をしてくれたと思う。これからも積極的に文化財公開をしていってほしい。
入口
内部
紅葉山方面を望む
出口
説明板
北方からみた富士見多聞(写真左の白い建物)
2014年撮影